紅葉とは?季語の意味と背景
紅葉(もみじ・こうよう)は、秋を象徴する代表的な季語です。
歳時記では晩秋の季語に分類され、立冬(11月上旬)の前後に見ごろを迎える情景を表します。
日本では古くから紅葉は歌や絵の題材として愛されてきました。『万葉集』や『古今和歌集』にも多くの紅葉の歌があり、秋の深まりや人の心の移ろいを映す象徴として詠まれています。
俳句において紅葉は、単に木の葉の色を指すだけでなく、その場の光や空気、音、匂いまでも含んだ季節の情景を表す言葉です。
たとえば夕陽に染まる山の紅葉は温かみを、初雪に覆われた紅葉は儚さを感じさせます。
また「紅葉(もみじ)」は主にカエデ類の葉が赤く色づくことを指しますが、俳句ではイチョウやナナカマドなど、黄色や橙色に色づく葉も含めて「紅葉」として詠むことがあります。
紅葉を使ったお手本俳句5選
① 山もみぢ紅葉はちりぬゆふまぐれ
(与謝蕪村)
夕暮れ時、山全体が紅葉に染まり、その葉が散っていく情景。
「ゆふまぐれ」という柔らかな響きが、秋の一日の終わりの静けさを引き立てます。
② 木の間よりもりくる月のかげ見えて
(松尾芭蕉)
紅葉越しに見える月の光を詠んだ句。
直接「紅葉」という言葉はなくとも、紅葉の間から差す月明かりで秋の深まりを感じさせます。
③ 紅葉散る川面に映る空の色
(現代句)
落ちた紅葉が川面に広がり、その水に映る空色が季節の移ろいを映す様子。
視覚的な鮮やかさが魅力の一句。
④ 初雪や紅葉の上に薄く積み
(現代句)
秋と冬が交差する瞬間を切り取った句。
紅葉の鮮やかさと雪の白の対比が、美しいコントラストを生みます。
⑤ 紅葉狩り笑顔こぼれる子の瞳
(現代句)
紅葉狩りという行事を通して、家族や子どもの笑顔を描く句。
紅葉の美しさだけでなく、人の温もりも感じさせます。
紅葉の俳句を上手く詠む3つのコツ

① 色彩を具体的に描く
紅葉は色の表現が命です。
「赤い紅葉」よりも、「深紅」「黄金色」「橙」など、色名を具体的に使うと情景が鮮明になります。
例:
黄金色 風にまぎれて 舞うもみじ
② 動きを加える
静止した紅葉も美しいですが、「散る」「舞う」「川に流れる」など動きを加えると句に生命感が出ます。
例:
舞い落ちて 川面を渡る 紅葉かな
③ 光や天候と組み合わせる
紅葉は光や天候との組み合わせで雰囲気が大きく変わります。
「夕暮れ」「初雪」「霧」「秋晴れ」などを添えることで、同じ紅葉でも全く違う景色になります。
例:
初雪や 紅葉の肩に 白き息
紅葉に合わせたい他の季語
紅葉はそれ単体でも十分美しい季語ですが、相性の良い季語と組み合わせることで、句に奥行きやストーリーが生まれます。
ここでは紅葉と特に映える季語をいくつかご紹介します。
秋晴れ(あきばれ)
澄みきった青空と紅葉の対比は、明るく開放的な印象を与えます。
例:
秋晴れや 燃ゆる山並み 紅葉狩
初雪(はつゆき)
紅葉と雪のコントラストは、季節の交差を感じさせる情景です。
例:
初雪や 紅葉の肩に 白き息
鹿の声(しかのこえ)
静かな秋の山に響く鹿の鳴き声は、紅葉の景色に哀愁を添えます。
例:
鹿の声 紅葉の谷を 渡りけり
霧(きり)
紅葉を包み込む霧は、幻想的で神秘的な句を作りやすくします。
例:
朝霧に 紅葉の橋の 影ぼやけ
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紅葉は秋を象徴する美しい季語です。
色、動き、光や天候を組み合わせれば、同じ紅葉でも無限の表情が生まれます。
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